「漁夫とその魂」オスカー・ワイルド あらすじ・感想 魂と愛の物語 | LI techno  

「漁夫とその魂」オスカー・ワイルド あらすじ・感想 魂と愛の物語

先日Kindleで無料になっていたので読んでみたオスカー・ワイルドの短編です。
冒頭は人魚に恋した漁夫がどうにかして人魚と一緒になろうとする話ですが、人魚はその冒頭以外はあまり登場しません。
題名通り、漁夫と、漁夫の魂の物語です。

『漁夫とその魂』 あらすじ

人魚の歌

あるところに、若い漁夫がいました。その漁夫は、来る日も来る日も、網を投げて魚を獲り、生活していました。

しかしあるとき、その網に大変美しい人魚がかかりました。

漁夫はその人魚をしっかりと抱きしめて離しませんでした。

しかし人魚は海の王のたった一人の娘で、涙ながらに離してほしいと漁夫に訴えました。

漁夫は、自分が呼んだらどんな時でも水上に上がってきて、歌を歌うことを約束に、人魚を離してやりました。

そして、漁夫が人魚を呼ぶと、必ず水上に上がってきて歌を歌うようになり、その人魚の歌を聞いたマグロたちがたくさん

集まってくるのでした。

日を追うにつれ、人魚の歌は漁夫を魅了するようになりました。

しまいには、漁夫は網を投げるのも忘れて一日中人魚の歌を聴いているのでした。

ある晩、漁夫は人魚に愛の告白をしました。

しかし人魚は、漁夫には人間の魂があるからいやだと答えました。その魂を体から追い出してくれさえすれば、漁夫と一緒になれるのに、と。

漁夫は、すぐに神父に魂の追い出し方を尋ねました。しかし神父は、「海の民」と恋に落ちるなど、おぞましい。

魂を追い出すなどとんでもないことだと漁夫に説きました。しかし、漁夫の意思は揺らぎません。

あきれた神父は、漁夫を怒鳴って追い出してしまいました。

漁夫が途方に暮れて歩いていると、商人たちに出会いました。

漁夫は、魂を売りたいんだ、と話すと、魂なんて何の価値もない、かけた銀貨ほどの価値もない。と言われます。

「なんて不思議なものなんだろう、魂って。神父さまに金貨にも等しい価値があると言われたり、かと思えば、

商人たちは欠けた銀貨にも劣ると言われたり」

そのうち、魔術に体操秀でた魔女の話を思い出し、その魔女のもとに急ぐのでした。

 

赤毛の魔女

漁夫が赤毛の魔女のもとにやってくると、魔女は何が望みか尋ねました。

漁夫が「魂を追い出したいんだ」と告げると、魔女は真っ青になり、それは恐ろしいことだと言います。

しかし漁夫は譲りません。魔女は、自分と踊ることを条件に魂を追い出す方法を教えることを約束しました。

月の満ちた夜、漁夫は山のてっぺんのシダの木の下で魔女を待ちました。

そして、魔女と二人で踊り始めたのです。

魔女と激しく踊っていると、岩陰に青白い男がいることに気づきます。

若い漁夫は魔法にかけられたようにその男をぼうっと見つめていました。

そしてとうとう魔女に、その男に挨拶をするように言われるのです。

しかし、漁夫はその男に近くまで来ると、なぜかかれは胸で十字を切り、聖なる名前を口にしていました。

そのとたん、集まっていた魔女たちはいっせいに散り散りになり、男も飛び去ってしまいます。

赤毛の魔女も逃げようとしますが、漁夫は魔女の手首をしっかりとつかんで離しません。

魔女は観念して、一本のナイフを手渡し、漁夫に魂の追い出し方を教えます。

「人の体の影と呼ばれているものは、本当は人の身体の影ではなくて、魂の身体なの。海辺で月に背を向けて立って、

爪先からあなたの影を切り離して、それはあなたの魂の身体だから、立ち去りなさいって命令すれば、言われたとおりにするわ」

漁夫はすぐに海辺に行って、捨てないでと懇願します。

「どうしてもぼくを追い出さなくてはならないっていうのなら、きみの心をぼくにおくれよ。

世の中は残酷だから、きみの心をお供にして一緒に連れていきたいんだ」

しかし漁夫は魂の願いを聞き入れず、爪先からナイフで影を切り離してしまいました。

漁夫は魂に立ち去れと命令しますが、魂は毎年一度ここにきて、漁夫を呼ぶ、と言います。

漁夫はそんなことは気にもかけず、海に飛び込むと人魚の姫君と結ばれました。

魂は泣きながら遠くへ去っていきました。

魂の話(一)

漁夫が魂を捨ててから1年が経ったある日、陸の上から魂が漁夫を呼びかけました。

漁夫が「なぜぼくを呼ぶんだい?」と魂に問いかけると、魂ははるか東方を旅して得た見聞を漁夫に語り聞かせました。

魂は、はるばる東方を旅するうち、イルレの都にたどり着いたこと。

そこにある神殿には、天地のすべてを知ることが出来る「知恵の鏡」が神様として祀られていることを僧侶から聞いたこと。

「鏡の中を覗いてみると、まさに僧侶の言った通りだったよ。

それからぼくは奇妙なことをしたのだけれど、でもぼくが何をしたかはどうでもいいんだ。

だって、ここからほんの一日行ったところにある谷に、知恵の鏡を隠してあるんだから」

そういって魂は、漁夫の体の中に自分を戻すように要求しますが、「知恵よりも愛の方が大事」と断られてしまいます。

魂の話(二)

それからまた1年が経ったある日、魂は海辺にやってくる漁夫をに呼びかけました。

 

 

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